エキドナ

上半身が人間、下半身が大蛇という姿をした怪物で、メドゥーサの孫。棲んでいた場所は不明だが、ペロポネソス半島にたびたび現われたという。エキドナは「怪物の母」と呼ばれていて、スピンクス、ヒュドラ、キマイラ、ケルベロスなどたくさんの怪物たちを生んだ。

スフィンクス

テーバイ周辺に棲み、頭は人間の女性、体はライオンで、背中には羽がはえていた。人間になぞなぞをもちかけて、答えられなければその人間を食べてしまったという。

ケルベロス

死者の国タルタロスの番犬。3つの頭をもち、尻尾はヘビという姿で、死者の国から逃げ出した人々をつかまえて食べていたという。

今から四千年以上も前の古代ギリシャの人々は、地球は、オケアノスという巨大な川に囲まれた円盤型の平たい大きな島で、東の果ては空と大地がつながり、西の果てにはタルタロスという死者の国の入り口があると考えていた。そしてその世界は、天も地もはっきりしない、あいまいなものから始まり、そこから、大地の神ガイアと天空の神ウラノスが生まれ、その二人の神は新たな神々と怪物たちを生みだし、さらにその神々から人間が作り出されたと信じていた。ギリシャ神話とは、その神々と、人間たちと、怪物たちのふしぎな物語。

 ギリシャ神話の怪物たちのほとんどが凶暴な性格だったため、神々によって、地下にある死者たちの国タルタロスに閉じ込められた。しかし、そこからぬけだした怪物や、地上に潜んでいた怪物が、つぎつぎに新しい怪物を生みだして神々を苦しめ、人間たちをおそれさせたという。

キュクロプス

ウラノス神とガイア神の間に生まれ、シシリア島に棲んでいた巨人。巨大な岩を、空にむかってほうりなげ、人間たちをペチャンコにしていたが、時々、英雄たちの武器を作ることもあったらしい。

アルゴス

体中に百個の眼を持った巨人。生きている間は、ぜったいに、ねむることがなかったという。ぶきみな姿をしているが、神々の命令によって、エキドナをはじめ、さまざまな怪物たちを退治した。

ギリシャ神話の怪物たち 1