ここは、くいしんぼうのウシたちが くらしている、ミルキー牧場。ここのウシたちは、一日じゅうずっと ごはんの時間がつづくから、出るものはしっかり出る。あっちでもブリッ! こっちでもブリッ!だけど、ミルキー牧場が ウンコだらけに なってしまうことはない。なぜなら、はたらきものの 3匹のフンコロガシたちが、きれいに そうじを してくれるから。

3匹のフンコロガシたちは、できたての ウンコを見つけると、たちまち まんまるの ウンコボールに 仕上げてしまう。つづけて、土の下にある ウンコボール倉庫に おかたづけ。そのスピードといったら、すごいの なんの! あっというまに ウンコが きえる。だから、ミルキー牧場は いつだって きれいでいられる。

プロローグ

つぎからつぎへと ほかほかの ウンコが作り出されるから、そりゃあもう 3匹にとって、ミルキー牧場は天国。今日も 彼らは、はりきって ウンコを ころがしている。…はずなんだけど、このごろ なんだか ものたりない顔をしている。同じウンコばかりじゃ、やっぱり、だんだん あきてくる。


3匹たちの夢は、世界一巨大なウンコでボールを作ること。お昼休みの おしゃべりタイムでも、わだいは いつも 同じ。

「世界一巨大なウンコって、やっぱり、ゾウ?」

「らしいよ」

3匹はウシ以外のウンコは、見たことがない。だから、うわさのゾウのウンコに、あこがれている。

「それって、どこにいけば ころがせるんだろ?」

「海の、ずーっと むこうがわらしいよ」

「と、遠いよね…」

いつもより、ためいきまじりの おしゃべりタイム。そんな フンコロガシたちの前に、とつぜん、

フートンという ふとっちょのカモメが あらわれて、おしゃべりを ちゅうだんさせた。

「ウンコを ころがして、あっというまに かたづける、ナイスな3匹って、きみたちだね」

「えっ!?」

「君たちに いい話をもって来たんだ」

「いい話?」

「ああ、君たちにとっては、もってこいの話さ。よかったら、今からウンコまみれの島へ 行ってみないかい?」

ふとっちょカモメの予想外のことばで、フンコロガシたちは、たちまち ときめいた。

フートンの、おおざっぱな せつめいによると、

海の ずっと むこうに ウンコまみれの島があって、住民たちが こまっているという。

「そんなわけで、あっちこっち さがしまわってたら、きみたちの うわさを聞いてね。で、スカウトに 来たってわけ。行く?」

3匹は まよわず

「連れてって!!」

とんとんびょうしで 話は まとまり… 

3匹を乗せた ふとっちょカモメのフートンは、

ウンコまみれの島を めざして、

とび立つことになった。

キャスト