アラビアン・ナイトの魔神たち 1

カシュカシュ

「カマル・アル・ザマンの物語」に登場する地下の魔神。魔神族の王女につかえる魔神で、王女が大地をけると、姿をあらわす。

アル・ダニッシュ

「真ちゅうの都」という話に登場する魔神。もともとは、海の魔神たちがあがめる、ルビーの像の番人だったが、魔神同士の戦争を引き起こしてしまい、その罰として、ソロモン王によって石の柱にとじこめられた。

ソロモン王の封印=ソロモン王は、古代イスラエル王国を支配した王様のひとりで、伝説によると、多くの魔神たちをあやつることができたという。また、悪い魔神たちを石の柱にとじこめ、魔力が使えなくなるという魔法の指輪で、封印したといわれている。

ルフ

「船乗りシンバッドの三回目の航海」に登場する巨大な鳥。人間をひとのみにするほどの大蛇をエサにしている。「船乗りシンバッドの五回目の航海」にも登場し、シンバッドたちの船を、空から大きな岩を落として沈没させてしまう。

むかし、ある国の王様が、女性と一夜を過ごした後、その女性を殺してしまうということを繰り返していた。王様の愚行を止めさせるため、大臣の娘が妃となって、王様のために千夜もの間さまざまな話を語り続け、ついに王様を改心させた。王妃の話は、とてもふしぎな物語ばかりで、王様をすっかり夢中にさせたのである。これが、今でも世界中の人々に読み続けられている、「アラビアン・ナイト」という物語。この物語には、たくさんの魔神たちが登場する。魔神というのは、魔力をもつ精霊たちで、その種類はとても多く、いくつかに分かれた魔神族のどれかに入っている。魔神族には、それぞれの王様がいて、たくさんの部下の魔神たちをひきいている。アラビアン・ナイトには、魔神のほかにも、さまざまな怪物や妖怪たちが登場する。ここに紹介するのは、ほんの一部にすぎない。

ズーグブ

「船乗りシンバッドの二回目の航海」に登場する小人。全身が毛むくじゃらで、身長は60センチほど。いつも群れで行動していて、人間たちの船を見つけると、バッタの大群のように押し寄せ、船も積み荷もうばいとってしまう。

ダンダン

「漁師のアブズラーと人魚のアブズラー」という物語に登場する、巨大な魚の怪物。人魚や、ほかの大きな魚をエサにしているが、人間にどなられると、どういうわけか、ころりと死んでしまう。また、ダンダンの肝臓からつくったぬり薬を、人間の体にぬると、海の中を自由に歩きまわることができる。