大誘拐 RAINBOW KIDS
大誘拐 RAINBOW KIDS
2010年5月、北林谷栄さんの訃報を耳にした。
亡くなられてから一ヶ月後のことだった。
代表作の一本であるこの映画を鑑賞しながら、その日、ご冥福をお祈りした。
1991年公開のこの映画は、
天藤真のミステリー小説「大誘拐」が原作。
チンピラ三人が山林王のばあさんを誘拐するが、
中途半端な計画と身代金の額の低さを知ったばあさんは、
逆に三人をけしかけ、メディアを巻き込んだ大胆な計画を提案し、実行させる、というストーリー。
監督は岡本喜八、共演に風間トオル、樹木希林、緒形拳のほか、
多くの個性的な俳優が出演している。
主人公のおばあさんを演じた北林さんのしゃべり方が絶妙で、
何度見ても面白い映画。思えば岡本喜八監督も、
緒方拳さんも、もう亡くなっているんだなあ…。
ところで、この映画とは関係ないが、
北林さんが出演したシーンで、ずっと気になっていることがある。そのシーンの女優が、本当に北林さんだったかどうかということ。映画でもなければドラマでもない。
ビートたけしの「北野ファンクラブ」という
バラエティ番組での出演シーン。
この映画が公開されて何ヶ月か経ってからのことだったと思う。
番組内でたけしが日本アカデミー賞に対抗し、
独自の賞を作って表彰するというコーナーがあった。
もちろんジョークで作った賞だから、
出席した対象者はほとんどいなかったのだが、
俳優部門では北林さんだけが笑顔でスタジオに現れ、
「なんて良い人なんだ」と、たけしが感激してたのを覚えている。
しかし、私の記憶力が曖昧なせいで、
この時の女優さんが本当に北林さんだったかどうかは、
本当のところは分からないままでいる。
その優しい笑顔を見て、あれは北林さんだったと、
ずっと勘違いしているのかもしれない。
原作●天藤真
公開●1991年 (日本)
監督●岡本喜八
脚本●岡本喜八
出演●北林谷栄 風間トオル
西川弘志 内田勝康
岸部一徳 天本英世
橋本功 常田富士男
樹木希林 緒形拳
映画感SHOW