第9地区
第9地区
出てくる俳優はほとんど無名、SF映画にしてはかなりの低予算、
画質はなんだか粗っぽい。
しかし、それでアカデミー賞作品賞にノミネートされるのだから、なかなか面白い。そんな噂が公開前から流れていた。
いやいや、噂以上の面白さだった。
巨大宇宙船が南アフリカのヨハネスブルグ上空に突然現れ、
停止してしまった。人類は、中にいたエイリアンたちを
難民として受け入れ、第9地区と呼ばれる場所に彼らを移住させた。それから28年の歳月が流れ、物語は始まる。
アパルトヘイトを痛烈に皮肉った設定ではあるが、
シリアスものではない。コミカルな演出が多く、
残虐なシーンも笑えるように仕上げている。おまけに、
エイリアンの造形、性格、好みなど、設定がいちいち面白い。
こういったSF映画だと、どうしてもB級っぽくなりがちだが、
脚本がすぱらしいおかげで、それっぽさはまったく感じなかった。
映画を見た後に解ったことだが、製作はピーター・ジャクソン、
監督は南アフリカ出身のニール・ブロムカンプ。
二人が組んで企画していた映画が頓挫し、
代わりにこの映画を制作することになったらしい。
脚本はニール・ブロムカンプ監督によるオリジナルで、
彼の短編映画が元になっている。
ちょっと褒め過ぎかもしれないが、
安い福袋を買ったら中に宝石が入ってた、的な映画で満足できた。
原題●District 9
公開●2009年 (アメリカ、南アフリカ、ニュージーランド)
監督●ニール・ブロムカンプ
脚本●ニール・ブロムカンプ テリー・タッチェル
出演●シャールト・コプリー
デヴィッド・ジェームズ
ジェイソン・コープ
ヴァネッサ・ハイウッド
ジョン・ヴァン・スクール
ブルーレイ版
映画感SHOW