インソムニア
インソムニア
2009年に「DOROTHY」がリリースされるまでは、
このアルバムが、近年の邦楽アルバムではベスト・ワンだと思っていた。「インソムニア」を越える邦楽アルバムは、当分出てこないだろうな…などと思いながら、何度も聞いていた。
やがてその思いが「DOROTHY」に移ってしまい、しばらくこのアルバムを聞いていなかった。
最近あらためて聞いてみたら、やっぱり、このアルバムが名盤であることに間違いない、という思いが湧いてくる。
それにしても、このところの鬼束ちひろは、楽曲以外のことばかりが話題になってしまっているのが残念でならない。
シンガー・ソング・ライターとしての才能は、素晴らしいものを持っているのに。「眩暈」や「月光」のような名曲は、もう彼女からは生まれないのだろうか。
あるいは、彼女のアルバムに触発された新人が、
もの凄い曲を引っさげてデビューする、なんてことに期待したいところだが、近年の邦楽界には、彼女のアルバムを越えるようなアーティストは見当たらないし、このところのオリコンチャートを見るかぎり、 なんちゃら48とか、がっかりな音楽ばかりで、「DOROTHY」や「インソムニア」クラスの名盤がリリースされる気配は、ぜんぜん感じられない。
鬼束ちひろ本人も、なんか別の方向へ進んでいるようだし…。
彼女にはぜひ、今こそ原点に戻って「この腐敗した」邦楽界に
喝を入れてほしい。
彼女は、「DOROTHY」と「インソムニア」だけの「ために生まれたんじゃない」と信じている。
関連CD
DOROTHY
鬼束ちひろ
(2009年リリース)
音楽ちゃんぽん
鬼束ちひろ
2001年リリース
曲目
1. 月光
2. イノセンス
3. BACK DOOR(album version)
4. edge
5. We can go
6. call
7. シャイン(album version)
8. Cage
9. 螺旋
10. 眩暈
11. 月光(album version)